2018年茨城大会レディース初優勝 李朋子プロ大会レポート
JPDAドラコンプロの李朋子です!
2018年8月24日(金)にJPDAプロドラコンツアー茨城大会やプロアマスクランブルゴルフ大会、アマチュアドラコン大会、安楽プロのトークショーなどが開催される「飛びゴルin茨城」に出場させていただきました!
その模様を選手視点でレポートさせていただきますね♪
荒れた天候の大会当日
当日は台風の影響で朝から雨。
本来は朝6時45分からプロドラコンの試合のファーストステージが行われ、その後、プロアマのラウンドを回り、終わった後にセカンドステージの予定でした。
しかし、朝からの強い雨と風で急遽、ファーストステージが順延になり、プロアマ終了後にファーストとセカンドを分けずにまとめて行うことになりました。それくらい、朝から荒れた天候でした。
その後、プロアマラウンド中に青空に変わりましたが、強風は衰えることなく、強い風の中でプロドラコンの試合を行うことななったのです。
高難易度の茨城大会
私は毎試合、レディースディビジョンと男子のオープンディビジョンの両方にエントリーしていますが、先にオープンの試合となりました。
自分の打順が回ってくるまでに既に何組もの選手が打っていましたが、荒れた天候の為、4球をフェアウェイキープできている選手がほとんどいない状況でした。
知らない方も多いかと思いますが、プロドラコンは持ち球8球の内、フェアウェイキープ出来た4球の平均飛距離で競うルールとなっています。
そのため、たとえ300ヤード以上を飛ばしてもフェアウェイキープが3球以下の場合、250ヤードでも4球をフェアウェイキープ出来た選手のほうが順位が上になるのです。
ですから、飛距離では男子プロに勝てない私にとっては有利な状況となっていたわけです。
特に今回の会場は林間コースで、一見、林と林の間が全てフェアウェイに見えるのですが、実際はセンター少し右からラフになっているため、フェアウェイがかなり狭かったのです。
更に左からの強烈な横風が球を右に流すためセンターに打った球のほとんどが右ラフに流れてしまうわけです。
勇気を持って、左ラフの方向に打たなければフェアウェイに残りませんから、今シーズンのプロドラコンの中でも難易度が一番高いと言える会場でした。
オープンディビジョンスタート
そして、いよいよ私の打順です。私はドローボールが持ち玉のため、普段は右のラフから回していくのですが、今回は風を計算してセンターにドローを打ち、風にぶつけていきました。
ですが、想像以上に風が強く流されてしまっていたようです。
自分の手応えとしては、5球くらいフェアウェイキープ出来ていた感触でしたが、実際に結果を聞くと3球しか入っていませんでした。思った以上にセンターに近い位置まで右ラフが出っ張っており、ラフにこぼれてしまったようでした。
残念ではありましたが、まだメインであるレディースが残っていますので、気持ちを切り替え、この反省点を生かせるように、再度、戦略を練り直しました。
レディースディビジョンスタート
そして、オープンが終わり、レディースが始まりました。
プロドラコンは1人ずつ打つのではなく3人で同時打ちを行います。
押尾プロ、石田プロ、私の3人が1番初めに打つことになりました。
JPDAの女王であり、圧倒的な強さを誇る押尾プロに、過去、私は一度しか勝ったことがなく、私自身としては9試合連続で2位という結果が続き、どうしても勝ちたい試合でした。
この風の中で強く振りに行っても、フェアウェイキープさせることが難しいことはオープンディビジョンの戦いの中からも感じていましたので、抑えた球で確実にフェアウェイを捉えて行く作戦で考えていきました。
既に始まっていた頭脳戦
運良く打席決めのジャンケンで勝つことが出来ましたので、迷わず1番右の打席を選びました。
実はここから戦いが始まっていました。
フェードヒッターである押尾プロにとっては、1番右の打席が打ちやすいと考え、その打席を抑えてしまったわけです。
私は逆に左を狙いやすい右端の打席に入っていましたので、大胆に左へドローを打っていきました。
ほとんどの試合で7球以上をフェアウェイに入れ、フェアウェイキープ率が高いことが私の武器ですので、とにかく自分を信じて、思い切って左サイドを狙っていきました。
左ラフ方向にドローし、ラフに落ちそうな球が風に流されフェアウェイに着弾したことを何回か確認できましたが、強烈な風に流されて、右ラフに入ってしまった球もありましたので、何球がフェアウェイキープできているか把握出来ていない状況でした。
飛距離についてもオープンの時よりも落ちてしまっていたことはわかっていましたし、MCの実況で押尾プロや石田プロが良い球を打っていたことも感じていましたので、自分の出来栄えとしては、決して良いパフォーマンスではありませんでした。
あとは、結果発表を祈って待つのみです。
緊張の結果発表
そして、緊張の結果発表。
まず最初に石田プロの結果が発表され、残念ながら記録なし。
かなり良い球を打たれていたようですが、ラフにこぼれていたようです。
押尾プロの結果は
そして、次に押尾プロの記録を発表。
MCが「凄いことが起こりました」と前置きを言っていたので、きっと押尾プロが8球全てをキープしたとか、300ヤード打ったとか、そんな話が出るかと頭をよぎりましたが、アナウンスされた言葉は、なんと「押尾プロ 3球 フェアウェイキープ」。
それを聞いた瞬間に全身に鳥肌が立ちました。
そして私の結果は
更にそのあとに私の結果が発表され、「5球 フェアウェイキープ」というアナウンスが言われた瞬間に会場に一種の響めきが。
側にいてくれた猪野プロや私を応援してくださっている方々が駆けつけてくれ、みんなとハイタッチ。
更には押尾プロも「リーさんやったね!」と抱きついて祝福してくれたので、まだ全試合が終わっていないのですが、思わず涙が出てきてしまい…
女子プロ3人で抱き合いながら、泣いてしまいました。
押尾プロの壁は高く、毎日、彼女に勝つことだけを考えて練習してきましたので、彼女に勝てただけで、喜びが溢れてきました。
その後、残りの選手が打っていくわけですが、まだまだ油断は出来ません。
着実に実力を付けてきている猪野プロや、1発の飛距離を競うロングドライブで活躍されている山添プロ。
安定したショットでフェアウェイキープ率が高い山本プロなど、何が起こってもおかしくない状況でした。
しかも、2組目以降の選手は女王押尾プロが3球しかフェアウェイキープ出来ていないことを知っていますし、4球フェアウェイキープ出来れば、優勝の可能性があることをわかって打ちますので、俄然、モチベーションが上がっているはずです。
一際輝きを放った猪野プロ
その中で、一際輝きを放った選手が猪野プロでした。
最初の1球目から力強いドローボールでフェアウェイキープ。
更に2球目も連続してフェアウェイを捉えてきました。
その後、何球かを外すものの、7球を打ち終えた時点で3球が入っていました。
しかも、この3球がかなり良い球でしたので、最後の1球がナイスショットでフェアウェイに入った場合、逆転されてしまう可能性がありました。
ドキドキしながら、最後の1球を見守ると会心のショットがフェアウェイ左サイドに飛んでいきました。
「負けた」と心の中で思った瞬間に左サイドにそびえ立つ大きな木の枝にガサガサとぶつかりました。
会場にも響めきが起こりました。
その球がどうなったかわからないまま、結果発表を待つことになりました。
最後の1球が木にあたったもののフェアウェイキープ出来ていれば、猪野プロも4球キープになります。
3球目までが飛んでいましたので、十分に優勝の可能性があります。
そして結果発表。
「猪野プロ 4球フェアウェイキープ」MCからその言葉が発せられた時に、再び会場に響めきが。
そして、その瞬間に猪野プロの目から涙が溢れ落ち、側にいた私も彼女を抱きしめていました。
打倒!押尾プロ
実は猪野プロと私はLINEで会話をしない日は無いというくらいの親友。
遠征先のホテルもツインルームに一緒に泊まることも多くあります。
お互いにツアーを転戦するものの、優勝出来ず、いつか2人で女王の押尾プロに勝って優勝したいと頑張ってきた間柄でした。
猪野プロの4球キープがアナウンスされた瞬間、猪野プロも押尾プロに勝ったことが確定されたわけです。
私と猪野プロの2人が共に押尾プロに勝った瞬間だったのです。
2人で抱き合い号泣です。
そこに「負けちゃったよ~」と押尾プロも駆けつけてくれ、3人で抱き合いました。
傍目には猪野プロが4球入っただけで泣いているように見えたかもですが、裏にはそんな思いがあったのです。
最終的な結果としましては、猪野プロの最後の木にあたった1球が真下に落ち、195ヤードしか飛んでいなかった為、平均飛距離が大幅に落ち、私が優勝することが出来ました。
彼女の球がほんの少し木の枝を避けていれば結果は変わっていた紙一重の差でした。
少しだけ私に運があったようです。
初優勝。そしてポイントランキング1位
9試合連続2位からの10度目の正直で初優勝となりました。
「シルバーコレクター」「2位が定位置」などと言われて来ていましたので、何度も帰りの車で泣いたものでした。
今回、初めて嬉し泣きに変わり、本当に嬉しい嬉しい優勝となりました。そして、この優勝によりポイントランキングも1位に上がりました!
更に嬉しいことが!なんと男子オープンディビジョンでも6位に入ることが出来ました!
3球のフェアウェイキープでは上位に入ることは出来ないと思っていましたが、私の後に打ったほとんどの選手がフェアウェイキープ出来ていなかった為、3球キープでしたが上位に入ることが出来ました。
男子のオープンで日本大会に出場する為にはポイントランキング24位までに入る必要がありますが、愛知大会終了時で41位。
起死回生をかけた岡山大会でもポイント獲得できず、順位は45位に後退。
日本大会出場が絶望的だと思われた中で茨城で6位に入り、一気にポイントランキングが19位Tにアップ。
オープンでも日本大会に出場が出来る24位に入れる可能性も見えてきました。
日本大会まで残り2試合
残り2試合で今シーズンのポイントランキングと日本大会出場者が確定します。
私と押尾プロのレディースランキング1位争い。オープンディビジョンでは松谷プロが1位のまま逃げ切ることができるのか?
そして、女子プロの私が男子の大会で日本大会に出場できるのか?
後半戦のプロドラコンツアーも見どころ満載です!
残り2試合も全力で頑張りますので、応援よろしくお願いします!
以上、李朋子の茨城大会初優勝レポートでした!